以前から気になっていた本作ですが、今回思い切って購入してプレイしてみました。「AI: ソムニウム ファイル」の紹介&レビュー記事です。
概要

このゲームの特徴 |
3Dアドベンチャーゲーム 不条理で幻想的な夢の世界 クオリティの高い3Dモデル 張り巡らされた伏線の数々 フルボイス |
- 発売日:2019年9月19日発売
- ジャンル:アドベンチャー
- クリア時間目安:20~25時間
スパイク・チュンソフトが開発および発売した3Dアドベンチャーゲーム。Nintendo Switch、PS4、Vitaのマルチプラットフォームでリリースされた。
シナリオは「Ever17」、「極限脱出シリーズ」を代表作とする打越鋼太郎氏、キャラクターデザインは、「ファイアーエムブレム 覚醒」、「ファイアーエムブレムif」、「Daemon X Machina」などのキャラデザを手掛けたコザキユースケ氏が務める。
世界観・ストーリー
東京。11月のとある金曜日の夜。
降りしきる雨の中、ひとりの女性の遺体が発見された。場所は廃墟と化した遊園地のメリーゴーランド…。
その遺体の顔には左目がなかった。どうやら犯人にくり抜かれ、奪われたらしい。
一報を聞きつけ事件現場に訪れた刑事、伊達。彼は遺体の顔に見覚えがあった。なぜ、彼女が――
――これは、夢と現実を捜査し、失った記憶と因縁の殺人犯を追う、ある刑事と相棒の物語。
AI: ソムニウム ファイル公式サイトより引用
近未来の東京で、警視庁の先進式人脳捜査部隊ABISに所属する主人公「伊達」が、事件解決を目指すストーリー。特徴的なのが、Psync装置を使用して対象者の夢に潜入し、事件解決の糸口を探すという設定。夢の世界は不条理かつどこか幻想的で、独特な雰囲気を醸し出している。
独創的な夢の世界


主な登場人物

主人公「伊達 鍵(だて かなめ)」。CV:新垣樽助。6年前に記憶喪失になっている。テンションが高く軽い印象があるが、警察官ということもあって、普段の言動とは反し責任感はある。エロ本が好き。


主人公の相棒「アイボゥ」。普段は伊達の左目の中に住んでいるAI搭載の義眼で、動物のような姿になることも可能。夢の中では自作の少女の姿になる。非常に高性能なAIで、伊達とは脳内でリンクしている。CVは「鬼滅の刃」の禰豆子を演じた鬼頭明里。

主人公の同居人「沖浦 みずき」。CV:黒沢ともよ。12歳の小学生。歳の割に大人びているが、主人公に対する態度は、思春期特有の反抗期といった感じ。声優さんの演技がキャラに合っていて、生意気なクソガキ感が素晴らしい。

女子高生ネットアイドル「左岸 イリス」。CV:白城なお。名前が外人っぽいがハーフではない。【A-set】という名前で動画配信を行っており、ファンからは「あせとんちゃん」と呼ばれている。明るく好奇心旺盛な性格で、ダンスが大好き。マクロスに出てきそうな見た目感。

「あせとんちゃん」の大ファンかつ友人の「真津下 応太(まつした おうた)」。CV:藤原夏海。24歳のオタクキャラ。意外とやるときにはやる男。

主人公の上司「ボス」。CV:甲斐田裕子。自室のセンスがやばい。楽観的だが、ボスを務めているだけあって策略家でもある。セクシーだけど、年齢を知って驚いた。

主人公の同僚で天才メカニックの「ピュータ」。CV:後藤ヒロキ。「アイボゥ」を開発した。
ゲームシステム

ゲームは「捜査パート」と、Psync装置で対象者の夢の中に潜入する「ソムニウムパート」に分かれている。「ソムニウムパート」でルート分岐するシステムになっている。
捜査パート

「捜査パート」では、気になる場所を調べたり、人と会話をしたり、場所を移動したりして進めていく。

状況によっては「アイボゥ」の力を借りることになる。「Zoom」機能だったり、物体を透過できる「X-ray」機能だったりと、左目の「アイボゥ」は多様な機能を備えていて、主人公をサポートしてくれる。
ソムニウムパート

ソムニウムパートでは、基本的に「アイボゥ」を操作する。制限時間内に全ての「Mental Lock」を解除することが「ソムニウムパート」でのゴールになる。
立ち止まっているときは時間は非常に遅く進み、歩き回ると残り時間が減っていく。制限時間を超えた場合、失敗となり「チェックポイント」からやり直すことができる(回数制限あり)。「チェックポイント」は「Mental Lock」の解除毎に設定される。

名称が付いた場所・物を調べると、いくつか行動の選択肢が表示される。正しい場所・物と、正しい選択肢を選ぶことで「ソムニウムパート」は進んでいく。
ただし、夢の世界ということもあって、想像できないような行動が正しい選択肢の場合もあり、正解が推測しづらいのが難点。かといって難しすぎるってことはない。
選択肢には消費時間が設定されており、選択すると、その分の時間が残り時間からマイナスされる。

選択肢には[1/3]や[10]などの「Timie」が設定されている場合があり、その選択肢を選ぶと獲得できる。次回以降「Timie」を使用すると、選択肢で消費される時間を減らす、または指定の秒に変更できる。中には次に選ぶ選択肢の消費時間を、強制的に○倍にするものもある。

選んだ選択肢次第でルート分岐する場合がある。なお、ルート分岐するのは「ソムニウムパート」のみ。制限時間内に全ての「Mental Lock」を解除すると、「ソムニウムパート」クリアとなり、ストーリーが進む。
メニュー画面

以下メニューの主な項目について解説していく。左から捜査資料、時系列、設定、記録、操作方法で、右上の電源マークでタイトルに戻れる。

捜査資料:いわゆるギャラリー。人物、補記、アルバムで構成される。

人物:各キャラクターの詳細な設定が確認できる。

補記:ゲーム内で出てきた固有名詞、専門用語などが収録される。本ゲーム一番のやりこみ要素。

アルバム:「ソムニウムパート」で条件を満たしてクリア、または「ソムニウムパート」内で義眼状態の「アイボゥ」を見つけると解放される。中身は設定画やラフ画、アイボゥの写真など。

時系列:フローチャートのこと。

設定:スキップ機能はあるが、同じチャートを読むことはほぼない。「ソムニウムパート」で失敗してやり直す時に役に立つ。

記録:3つまで作れる。また、オートセーブ枠が1つある。少ないように感じるが、実際には問題ない。

操作方法:画像はSwitch版。コンフィグはできない。
感想
- 世界観:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- グラフィック:★★★★★
- BGM:★★★☆☆
- システム:★★★☆☆
- やりこみ:★★☆☆☆
- 難易度:★★★☆☆
アドベンチャーゲームをフル3Dで作っているだけあって、グラフィックには気合が入っているゲームです。特にクオリティの高いキャラモデルと、細かな表情付けはキャラの存在感を高めてくれます。
また、「ソムニウムパート」の夢の世界は不条理で、不可思議で、狂気的で、幻想的と他のゲームでは体験することができない独自性が本作にはあります。
18歳以上対象のZ指定になるほどのグロ要素がありますが、直接的な見た目の表現ということもあってか、管理人とんぬらはそこまでではなかったです。「レイジングループ」の一枚絵+テキストでの表現の方がはるかに恐怖を感じました。
「ソムニウムパート」に繋がる重要なPsyncですが、よしPsyncで打開だ!的な展開になるのですが、せっかくの設定がちょっと残念な感じに終わるのが気になりました。ルート分岐させるシステムのために、無理やりストーリーでPsyncさせられるって感じでしょうか。
アドベンチャーゲームとして最も重要なストーリーですが、ネタ要素満載なことや、シリアスなシーンでのおバカな展開など、この手のノリが嫌いな人は、まず受け付けないだろうなあという要素が多数見受けられます。
シリアスなシーンは、シリアスな展開で解決してくれたら、個人的には文句なしのストーリーだったと思えるだけにそこは少しだけ残念。
ただ、そういう要素を許容できる方は楽しめる作品です。序盤から伏線が多数散りばめられており、最後に「ああ、そういうことだったのか」と、全てが一つに繋がる感覚を味わうことができると思います。クリア後に再度初めからプレイして、伏線を見直す楽しみ方もできると思います。
主人公「伊達」と同居人「みずき」の絶妙な関係は、個人的にすごく好きでした。こういうのもありだなあと、心に訴えかけるものがある。主人公と「アイボゥ」も良いコンビですね。
最後のスタッフロールは、プレイして良かったと思わせてくれる気合の入った演出でした。
こんな人におすすめ
そもそも18歳以上対象のZ指定で、グロ要素があるので苦手な方にはオススメできません。
また、ネタ要素や、主人公とアイボゥの悪ノリ的なやりとり、シリアスな場面なのにしょうもない展開等、人をかなり選ぶ作品になっています。
そのあたりを気にしない方には、伏線が張り巡らされたストーリーに引き込まれると思います。
シュタインズゲートが好きな方で、上記要素を許容できる方にはオススメできる作品です。
Nintendo SwitchとPS4では体験版を配信しているので、気になる人はプレイしてみて、ご自身に会うかどうか判断されてから購入検討されたほうが良いかと!
プレイ環境
管理人のプレイ環境:Nintendo Switch
Switch版、PS4版、Steam版が存在します。管理人はSwitch版の携帯モードでプレイしましたが、得にスペック不足は感じませんでしたので、どのプラットフォームでも問題ないと思います。
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